『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』感想。

『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層』感想。

清武英利著書『プライベートバンカー カネ守りと新富裕層(講談社)』を読みました。シンガポールと日本を舞台に、プライベートバンカーや富裕層が躍動するストーリーです。フィクションかと思いきや実名ありのノンフィクション。日本からシンガポールへ移住した富裕層の裏事情、金融業界のタブー、成功者の真実など、暴露しまくりのお話になります。よくもまあここまで書けたなと感心です。

私は経営者向けにコーチングのお仕事もしていますが、「コーチング」の観点から言えば、「お金持ちになりたい」のであれば読むと面白いです。富裕層の「臨場感」を強烈に味わうことができるのですから。願望実現で難しいのは、ゴールを設定しても、そこにリアリティがないこと。そのために、実際に高額マンションの内見をしたり、フェラーリの試乗をしたり、高級ラウンジでカフェを頼んだり、金持ちの体験をするわけです。小説や映画などもその役割を果たすのに適している。本書も例外ではありません。金持ちの思考や行動パターンのリアリティを高めるにはオススメの一冊です。

私自身、大変興味深かったのは、「税金を逃れてきた日本人で幸せになったという話は、あまり聞かないことだ。(P136より引用)」の箇所。かなり的を射た文に思います。自由を得るためにお金を手にしたのに、結局、お金に翻弄されてしまうのはなんとも皮肉な話です。