どうすれば起業家自身、または関わるチームや組織のパフォーマンスが上がるのでしょうか?掲げたゴールを実現する、またはそれに近づくことができるのでしょうか?

キーワードの1つに「Want to(~したい)で仕事をする」というものがあります。逆は「Have to(~しなければならない)」です。

なぜ、Want toで仕事をすることが大事なのでしょうか?理由は、人間は心の底から「やりたい」と思って何かに取り組んだ時が最もパフォーマンスが上がるからです。当たり前と言えば当たり前ですよね。

例えば、学生の頃「宿題をやれ!」「勉強はしたのか?」と言われたら、勉強をする気があったととしても、なんだかやる気がなくなってしまいますよね。

ところが、大好きなゲームだったらどうでしょうか?時間を忘れて取り組むことがあったのではないでしょうか?

また、男性であれば特に、「大好きな女性を口説く」ことを考えた時は、それこそ、無我夢中でデートプランを考えたこともあるはずです。女性の場合であれば、大好きな彼を喜ばせるために料理を覚える、お祝い事を企画するなどでしょうか。

これらのように人間はWant toで考えると、疲れ知らずで取り組むことができ、結果、高い次元の成果を出すことにつながるのです。

最近、興味深い本を読んでいます。株式会社ブリジストン元CEOである荒川詔四氏の著書『優れたリーダーはみな小心者である。(ダイヤモンド社)』です。

ブリジストンといえば、ご存知の通り世界最大のタイヤメーカーの会社です。驚くべきはミシュランなど競合ひしめく業界であるにも関わらず、世界一のシェアを誇る企業であるということです。

どのようにしてブリジストン社を世界一にしたのでしょうか?そこにはいくつかの業績アップのヒントが書かれているわけですが、特に「リーダーシップの重要性」について強く書かれています。リーダーシップがなければチームはまとまらないし、本来持っている力を発揮することができません。だからリーダーシップを身に着けることが重要だということです。

では、どうすればリーダーシップが磨かれるのか?というと、「面白いことをやれ」と言っているのです。仕事は苦行であってはなりません。ただ、やらされている(Have to)感で仕事をしていては、主体性を発揮できず、リーダーシップは育ちません。主体性を発揮するためには、荒川氏は単刀直入に「心の底から面白いと思えることをすること」と言っています。

例えば、タイで相手先企業の支払いが滞った時に「債権回収」をしなければなりませんでした。想像していただくとわかりますが、あまり面白そうな仕事ではありません。後ろ向きな仕事。まさにHave toです。ところが、荒川氏はそこに一工夫加えて、主体性を発揮し、債権回収するだけでなく「新規開拓までやったらどうか」と仕事の質を変えたのです。新規開拓であれば、後ろ向きでなく前向きな仕事です。これによって仕事が面白くなり、停滞していた組織はやる気を吹き返したそうです。

よく、「Have to(~しなければいけない)で仕事をしてはいけない」というと、仕事を辞めたり、逃げたり、最悪のケースだと「あの仕事は意味がないよ」「上司や会社がよくない」と他人のせいにしてしまう可能性もあります。人間は自身のアイデンティティを保つためには、周囲の価値を下げるという嫌な習性があるからです(認知的不協和)。

そうではなく、荒川詔四氏の言うように「~しなければならない」仕事も、自分なりの工夫次第で「Want to」にすることが大事なのです。常に、自分軸で仕事をすることが肝要になります。

結果として、「面白い」仕事になってしまえば、パフォーマンスも上がり、成果もついてくるのです。面白くない仕事があるのではありません。「仕事を面白くできないリーダー」がいるだけです。